作品データ
TVアニメ『ベン・トー』(2011年)
http://ben-to.net/
第1話『ネバれ、納豆オクラ丼ぶっかけチーズトッピング弁当 440kcal』
監督: 板垣 伸
脚本: 板垣 伸
絵コンテ: 板垣 伸
演出: 江副仁美、板垣 伸
作画監督: Shin Hyung Woo
概要
入学式の翌日、最初の授業の日に登校した主人公・佐藤洋は学級委員長・白梅梅に話しかけられる。彼女の奇妙な名前について軽くジョークを飛ばしたらいきなりビンタ。さらに佐藤が前夜、白粉花と行動を共にしていたことを口にするともう一回ビンタして去って行くのだった。
評価
衝撃度 (Impact): 65
二人が会話するのはこの時が初めて。「バイバイ、って呼ばれるでしょ」などといきなり名前のことでからかう佐藤もよくないが、それに対して即ビンタという反応も常軌を逸している。状況は朝、まだクラス全員が揃ってはいないがざわついた教室。みな遠巻きに見守っている様子はかろうじて伝わっているが、惜しむらくは周囲の反応をもう少し拾ってほしかった。
表現力 (Expression): 85
最初のビンタは一枚絵だが、画面を揺らして光が散る効果、そしてSEで威力を表現している。絵自体も、腕が伸びきって真っ直ぐ振り抜く張り手に近い(?)、威力重視のビンタ。
そして二発目は、スイングを開始した右腕全体を正面から捉えたカメラが、そのまま腕の後ろ側に回り込んで打たれる佐藤を正面から映すという、いわゆるイマジナリーラインをギリギリ越えるような、見ごたえのあるトリッキーなカット。
ヒットの瞬間に顔が歪むのが見え、きれいな手形のついた頬から煙が立ち上るという古典的な表現もいい。
感情度 (Emotion): 50
無表情、言葉は丁寧だが声色には微妙に感情が出るという、難しいバランスのキャラ。名前のことでからかったのが逆鱗に触れたという演出ではなく、「ふざけるな」という程度の反応で手が出ている。過度に暴力的なだけであり、この点ではあまり評価できない。
リアクション (Reaction): 45
痛そうな声といい、即物的なリアクションは良いとして、ファーストコンタクトでいきなり打たれているのに怒りも驚きもほとんどないのは不自然。白梅さんに暴行を受けるのはお約束になるが、それは二回目以降のことであって、初めてのこの時はちゃんと初めての反応がほしかった。そこをなおざりにするのは好ましくない。
破局度 (Catastrophe): 20
佐藤と白梅、二人の関係は最初から破綻しており、白梅の暴力はさらにエスカレートしていくものの、本質的には改善も悪化も見られない。
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