『じょしらく』 第三席 空琉美遊亭丸京VS蕪羅亭魔梨威

『じょしらく』 第三席 空琉美遊亭丸京VS蕪羅亭魔梨威 『じょしらく』 第三席 空琉美遊亭丸京VS蕪羅亭魔梨威 『じょしらく』 第三席 空琉美遊亭丸京VS蕪羅亭魔梨威

作品データ

TVアニメ『じょしらく』(2012年)
http://www.starchild.co.jp/special/joshiraku/
第三席『「無情風呂」「浅草参り」「真田小ZOO」』
原作: 久米田康治/ヤス(講談社「別冊少年マガジン」連載)
監督: 水島努
脚本: 横手美智子
絵コンテ: 池端隆史
演出: 池端隆史
総作画監督: 大木良一
作画監督: 新垣一成、冨岡寛

概要

 女子落語家の話、ではあるが、主に寄席の楽屋でメインキャラの女性噺家が雑談するだけで、高座のシーンは各話冒頭でサゲの部分を演じるのを一瞬見せるだけという、ほとんど落語には関係ない内容。あとは各話サブタイトルが古典の演題の捩りというくらいです。冒頭に「このアニメは女の子のかわいさをお楽しみいただくため、邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみいただく番組です」という注意(?)が出る。
 第3話の3本目、「真田小ZOO」のタイトルが表示されて僅か数秒後の出来事。
 ちなみにこの回でOPにもフィーチャーされている"Choo Choo Train"のダンスをやってるから真田小"ZOO"なんですね。「真田小僧」には全く関係ないけど(笑。
 空琉美遊亭丸京(読みは「くうるびゆうてい・がんきょう」。クールビューティー眼鏡と言いたいわけです)が「あーかゆい」と身体を掻いていると、蕪羅亭魔梨威(ぶらてい・まりい)が背後から「なんだい、インキンかい?」とからかう。丸京は即座に振り向きざまのビンタ。
 マリーさんも即「何すんだよいきなり!?」と逆ギレするが、丸京は手の平を見せて「蚊。」と一言。「誰か窓を開けっ放しにしてたから――」と言いかけたところに蚊の羽音が聞こえて、思わず目で追う二人。丸京の左手の甲に留まった蚊をすかさずマリーさんが平手で叩く! 「痛!」と左手を押さえる丸京に、「蚊。」と手の平を見せて勝ち誇る(?)マリー。 ムッとして右手を上げる丸京にマリーもガードを上げて構えるが、すかさず左手でもう一発入れる丸京。「フッ」「フェイントだと……?」
 二人はファイティングポーズを取って全面対決の構えだが、『これは……先に動いたほうがやられる……!』とにらみ合っているうちに双方とも蚊に刺されまくって痛み分けに終わるのだった。

評価

衝撃度 (Impact): 65

 スイカが爆発する結末から「なぜこうなった」という導入で回想の本編が始まり、5秒もたたないうちにビンタが炸裂。マリーの最初の一言に対して即ビンタというその唐突さが衝撃的。

表現力 (Expression): 80

 真後ろに立ったマリーに対して、全身で振り向いた勢いのままフルスイングのビンタがクリーンヒット。左手がほぼ360度一回転の軌道を描く。打たれたマリーの顔が歪み、首が捻れて吹き飛ばされる動きも、あくまでコミカルな表現ですが見事なアクションです。
 一部始終をフィックスで捉えているのもポイント。

感情度 (Emotion): 55

 明らかにマリーの茶化しに反応して叩いているが「蚊がいたので叩いた」という体で悪びれず手を見せる。蚊を叩くというよくあるギャグのようでもあり、ほとんど見もしないで振り向きざまに叩いているし、単にからかわれたのに対し手が出たのだとすると沸点が低すぎるようだが蚊を言い逃れに持ち出すところはクレバーで、クールなんだかどうなのかよくわからない(笑。というギャグなのだろうか。
 やり返すマリーさんは律儀に蚊の留まった手の甲を叩いているので丸京へのダメージは少ない。しかもさらにもう一度やり返され、右手をガードしようとしたところフェイントで左手をもう一発もらってしまう。蚊を叩くのになんでフェイントなんだ(笑。

リアクション (Reaction): 70

 派手に首を捻って吹っ飛ばされながら「あべし!」と(?)呻くも一瞬で体勢を戻して「何すんだよいきなり!?」とキレる。その切り返しの早さと、自分の品がないセリフを棚に上げた逆ギレっぷりが見どころ。

破局度 (Catastrophe): 15

 話はこの後、一人だけ蚊に刺されていない防波亭手寅の天然の危機回避能力が高い、という流れに展開するので実は二人の喧嘩は前フリですらなくこれっきりなのだった。
 ちなみに、次の回では丸京はマリーをグーで殴っている(笑。